本の読み方 スローリーディングの実践

本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP新書)
本の読み方〜スローリーディングの実践〜 平野啓一郎

こういう本。実は結構好きだったりします。ww

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』好評発売中!

8月に刊行したPHP新書の『本の読み方 スロー・リーディングの実践』ですが、発売後一ヶ月半で四刷と、よく売れています。今まで僕の本を手に取ったことがなかった人も、「これまでの読書の仕方を考え直すきっかけになった」と、うれしい感想を寄せてくれています。

とのことなので、僕も一読者として感想を送ります。
こんな本読んでおきながら、身もフタもない言い方すると、本の読み方って自由だと思います。


誰がどのように読んでも全然関係ない。


急いで読もうが、たくさん読もうが、ゆっくり読もうが、本と自分と対峙している時というのは、この世を少し離れて本の中に自分を投影させることができる貴重な時間だと僕は思っています。

本書の作者、平野啓一郎氏は、そんな貴重な時間の使い方について、「でもせっかく本を読むんだからゆっくりと細部まで楽しもうよ」と、先を急ぐ僕達の背中に待ったをかけてくれています。


本書は、アンチ速読法としてスローリーディング、本をゆっくり読むことを薦めている本です。


実は、僕も一時期速読本を購入し試したことがあるのですが、本のあらすじを捕らえるための読書になってしまい、読後心に残らず全然楽しめず、投げ捨てた人だったりします。ヽ(`∀´ )ノ


印象に残ったことを本書から抜粋すると、

スローリーディングとは書き手の仕掛けや工夫を見落とさないための読書。
読書は、読み終わったときにこそ本当に始まる。
せっかく本を読むのであれば、読んだ本の内容をできるだけ長く覚えておいて、折に触れて味わいたいものだ。
記憶に残る読書、印象に残る読書のためには、あえてゆっくり読む、という心がけも重要だろう


作家先生がこういう事言ってくれると少し、勇気でます。

だた、一つ思ったのは、このように細部まで楽しんでもその楽しさを分かち合うことができる人って少ないんじゃないか。という事。


僕はマンガがめちゃくちゃ好きで、キャラクターの心境とか、コマワリとか、セリフとか、状況背景だとかを当人になりきって読むので、見開き一ページのコマを何分でも読んでいるときがあるのですが、そんな状況を周りから見るとお前何しているの?ってよく言われたりします。


で、いやこのキャラクターの心情って分かる?○○がXXなんだよ。って説明しても心に響いたり、反応が返ってくる人って少ないなぁ。涙。。・゚・(ノд`)・゚・。


(軽率に一般論にしたくはないんだけど)これと同じで、ストーリーのスジだけ読むスジ派や、即読派の人たちにとっては、そういう本に潜って細部まで楽しむ事ことって理解されにくいんじゃないかなぁと。


まぁ、僕もそんなに全ての本を(マンガ含む)をじっくり読んでいるかというとそんなことなくっていわゆる本書でいうスローリーディングができているかっていうと、最近は全然できていない気がします。


これは本の趣味が変わってきたことや、ビジネス本の割合が多くなってきて来たことにも関係あると思うのですが、スローリーディングじゃなくってファーストリーディングしています。アタマに残らない本もたくさんあるし。


このブログでもいくつか本の紹介をしていますが、物によって文章が適当だったり、紹介すらしていない本の方が圧倒的に多いくらいです。Σ(・ε・;)

でも、それでも良いのかと。そういうの全てひっくるめて読書なんだと。

それがたとえ「誤読」であったとしても、自分の血肉になっていれば良いのではないかと。


時間があった学生時代読んだ本は、今でも鮮やかに思い出せるほど、読みまくった本があったりしますが、ちょっと時間作ってスローリーディングの実践ということで、僕も印象に残っている本を紹介してみようかな。


最後に、本書の中で大江健三郎さんの文章を引用してあったので、更に引用したいと思います。

読書には時期がある。本とジャストミートするためには、時を待たなければならないことがしばしばある。
しかしそれ以前の、若いときの記憶に引っかかりめいたものを刻むだけの、
三振あるいはファウルを打つような読み方にもムダということはないものなのだ


本の読み方は、改めて自由だと思わせる一言です。