言動
- シンプルな単語
- ゆっくりとした口調
- 落ち着いた動作
- 沈黙
重要な単語はしっかりと、そしてゆっくりと何度も繰り返されることで自然にキーワードとして認識できます。
この中で特筆すべきは、沈黙の取り方。
間の取り方ではなく、沈黙の取り方。
この沈黙に関して圧巻は、アップルTVの説明が終わった後の水を飲み終えた後(26分頃〜)に語りだす沈黙具合。
アップルの歴史を語り、iPhoneの事を語りだすあの場面。
これから歴史的な発言をするんだぞ。という緊張感。
自然と集中して耳を傾けさせられます。
そして、そのJobsの言動を補足するのが
スライド
- ビジュアル(絵)重視
- 最低限なWORD
- 比べる
- デモ
グレーの背景にシンプルなアイコンや写真。
説明文はわずか。
説明のほとんどは彼自身の口から説明されている。
英語はほとんど分からないけど、スライドで分かる。
スライドを見ていると彼の説明も理解できる。(気がする)
バランスがすばらしいです。
そして、スライドを更に補足するのが
演出
- 繰り返す
- 特徴をシンプルに示す(グラフや図)
- 理由を示す
誰がスタイラスなんか欲しいんだ?(Who wants a stylus?)と示す場面や、
「iPod」「Phone」「Internet」のスライドを3回繰り返すシーン。
他のSmartPhoneを引き合いにだすシーン。
会場の反応とあわせて見ていると何とも楽しいです。
こうして特徴を挙げてみると、一つ一つはどれも大したことはないのだけれど、keynoteの途中で登場する(1時間18分頃)GoogleのEric Schmidt、YahooのJerry Yang、CingularのStan Sigmanと比べると違いが明らかなのは見ていて分かります。
彼らが悪いというわけではないのだと思うけど、Jobs氏のすごさを感じることができます。
僕は、彼の発言の何割も理解できていないと思いますが、こうしてトータルで見ていると、何とも臨場感が伝わってきてとても面白い映像を見ることができたと感じたわけです。
Jobs氏は会場を操っているんだなぁ。と感じました。
最後に、講演終了時にスタンディングオベーションで、観客に受け入れられた時。
Jobs氏が感極まるシーンがありましたが、映像だけでは分からないJobs氏の人間的な魅力に触れることができたような気がします。
よく見かける(僕も良く作ってしまいがちな)、説明文なのかプレゼン資料なのか良く分からないスライドと比べると雲泥の差。
Jobs氏がこのスライドを作り、実際に舞台に立つまでに費やす時間がどれくらいなのか分からないですが、このkeynoteを見た人全てを魅了し、何億ドルもの収益を上げることができるのならば、それは大したコストではないのだと思いました。
良いプレゼンとは何かと考えている人、良い資料は何かという事について思考している人は、是非一度、Jobs氏のプレゼンを見ることをお勧めします。
と熱く語ってみました。