「こちら側」と「あちら側」と「その間」 〜Web2.0時代のケータイ戦争〜

コレ読んだら、断然auにしたくなりましたね。

Web2.0時代のケータイ戦争―番号ポータビリティで激変する業界地図 (角川oneテーマ21)
Web2.0時代のケータイ戦争-番号ポータビリティで激変する業界地図


面白かったのは、各社のサービスに対するスタンスが読み取れるところ。


お財布ケータイ(Felica)に注力しているDoCoMo

まだ、全国どこでも使えるとまでいえないお財布ケータイですが、使えるようになるためには、「こちら側」の世界にターミナル(端末)を投資する必要がある。

また、現在、お財布ケータイを使うために必要な電子決済サービスは5社あるそうですが、ユーザにとって利用し難い状況を生んでいる現状もあり、今後どのような展開をしていくか注目するところ。


一方、着うたや、ワンセグSNS、等を、既存の枠にとらわれず「あちら側」の世界を開拓し続けるau

Googleとの検索エンジン提携し、既存サービスとの連携にまで考慮している点はさすがといった感じ。


日本No.1ポータルYahoo!Japanのコンテンツ、ノウハウをそのままケータイ世界に提供できる強みがあるsoftbank

さらに、既存キャリアに対しての価格破壊をしかけており、「こちらと、あちらの世界」を繋ぐ姿勢に、今後の動向は見放せない感じ。

本書の言葉を借りると、

これまでのケータイのビジネスモデルは、(中略)「ケータイ屋のインターネット事業」だった。
ソフトバンクの登場により「インターネット屋のケータイ事業」がどのようになるか注目される。

といったところでしょうか。

本書から、三社のスタンスを見てみると

  • 「こちら側」への投資に必死なdocomo
  • 「あちら側」のサービス開拓に意欲なau
  • 「こちらとあちら」の中間に位置取り虎視眈々なsoftbank

という位置づけに見えて、面白い。


そうそう、コレ読んだら、イノベーションのジレンマ思い出した。

契約者数5000万を超えるユーザを抱えるDoCoMoさん。

今まで一人勝ちだっただけに、MNPでユーザー減は必然。

全てのユーザ層に対して、全てのサービスをというスタンスはわかるんだけど、au,softbankの2社と、ウィルコムや、新規参入キャリアを全部敵に回すかっこうになり、

既存の設備や投資が足枷になってスピード感出せないようになると、足元すくわれちゃうんじゃないの?


堪能させていただきました。

2006/11/06 タイトル変更しました。