情報共有のための指標

ここ3、4ヶ月、組織の中で情報を共有することについて考えていたのですが、その指標がまとまったので記しておきます。

通常、組織が大きくなるにつれて、組織間での情報の共有という問題が発生します。

なぜ問題となるかというと、一般的に組織は以下のようにして肥大化していくからです。

1.組織が大きくなり、各組織に役割が与えられる。

2.組織の役割ができると、それに沿って業務が細分化される。

3.業務が細分化されるということは、一般的にその業務以外のことをやらなくてもよくなる。
(例えば他の組織が行っていることは、自分の組織の中でやる必要がなくなる。その代わり自分の組織の業務に専念することが可能となる。)

つまり、組織の中で働く人は、その業務によって発生する情報の価値観の中で生活することになります。

これは、「自分が所属する組織や業務とは関係のない出来事について無関心になるということ」と言い換えることができそうです。
ここでは、この事を情報に対する鈍化と呼ぶことにします。

鈍化された組織にいると、他の組織の価値観、または新しい刺激に出会うことが難しくなります。(隔てられた組織の外にある情報や価値観に対して鈍感になります。)

これは組織が一般的に、ツリー型の構造をとることに関係しているのかもしれません。

極端に言うと、子ノード(組織の末端グループ)は、親ノード(親部署)を通じることでしか、他のノードにアクセスする術を持たなくなるからです。

他の組織の価値観や情報を得るためには、能動的に情報を採取しなければなりません。それはつまりエネルギーを使うということです。(それも組織が小さかった頃にはいらないような無駄なエネルギーをです。)

組織は肥大化することで、自ら機動性や、組織間のコネクティビティ(密な情報の共有)を失ってしまうのです。

そこで、僕はそのツリー型組織に対応するための情報共有のための指標を作成しました。
これは、情報が誰によって共有されているかをわかりやすく示した情報レベルです。

■レベル1
 一人が知っている
■レベル2
 チームが知っている
■レベル3
 グループが知っている
 (≒他のチームが知っている)
■レベル4
 部が知っている
 (≒他のグループが知っている)
■レベル5
 事業部が知っている
 (≒全社が知っている)

僕の身近なOSIのネットワークレイヤに例えて7階層にすることも考えましたが、あまり多くても覚えられないでしょということで5段階にしてあります。
自分の環境に合わせて言葉を変えるだけで、おそらくほぼ全ての組織に当てはめることができると思います。

この指標は、これから巨大化していく組織において情報共有の基盤となり、現在鈍化している組織に対して、情報のブレイクダウンを促す指標になると考えています。

あーようやく作れた。