シリコンバレー生活〜250円の価値〜

シリコンバレーに来てから3ヶ月が過ぎた。米国での体験や、経験はこのブログに細々と記すようにしているのだが、日本の生活と比べて一番変わったところはなんだろうと、夜、ほろ酔いした頭で考えていた。

顕著に変わったところは、本を読んでいないということ。特にマンガ。

日本に住んでいた時は、週刊マンガ雑誌をほとんどすべて読んでいた(立ち読み含む)し、月に買うコミック数や、マンガ喫茶等で読む量を合わせたらかなりの時間を読書に割り当てていた。

子供の頃からマンガっ子だった僕にとって、ページをめくるごとに展開されるコマ割りのストーリは、想像力をかき立てられるものだったし、仕事や生きて行く上でのヒントを得たシーン、作品も多い。

僕が現在住んでいる近所には紀伊国屋書店があるのでリアルタイムとまでは呼べないまでも、数週間遅れで日本の雑誌、マンガ、コミックを買う事ができるのだが、なぜか購入する気が起こらず、結果としてアメリカに来てからマンガをほとんど読んでいない。

購入意欲を削いでいる原因は、二つある。

価格が2倍近くするということと、購入できる場所が限られているということ。

価格については、マンガだけでなく日本の書籍全般に関してもいえるが、マンガの購入場所は、本屋だけでなく、コンビニ、キヨスク、いたるところで買う事ができるすばらしいサービスインフラが整っていたということに気づく。毎週、車で30分の距離にただ一カ所だけある本屋に行く事。これが購入障壁となり、意欲を削いでいる。日本で買うと250円が、値段、距離を合わせると1000円以上の価値に変わっている。そんなわけで、週刊マンガ雑誌を読む事はこちらでは諦めた(月一回発行の月刊マガジンだけは買っている)。

わずか250円を払うだけで、今や世界中の人に影響をあたえるほどに成長したマンガを、即座に読める環境というのは、非常に恵まれた環境だなと思う。

いや、まぁ、今は世界でも最高であろう企業をたくさんみているのでそれは刺激的なのですが。


価格と、物質への距離(物理的/心理的)が相関関係となって、物の価値って人それぞれ決まるんだろうな、ということをぼんやりと思ったのでメモでした。