マルドゥック・ベロシティ1、2、3
これ読んだら、眠れない。
2003年SF大賞を受賞した「マルドゥック・スクランブル」の「それ以前の時代」を描いた作品が本作「マルドゥック・ベロシティ」
3週連続刊行ということで、書店をにぎわせていたりしますが、その勢いに負けず読み続け、ようやく読み終わりました。
前作で謎(複線)となっていた、ボイルドが生まれ育った研究施設や仲間たちのエピソード、ボイルドとウフコックの確執が生まれるまでのエピソードが書かれています。
気の利いたネーミングや、細部にまでこだわった人物像、大量に投下される近未来的カルチャーなど、冲方(ウブカタ)節は本作でも健在。
また、スラッシュ(/)やイコール(=)などの記号で躍動感を出している文体も本書を読む上で見逃せないポイント。
SFという枠にとらわれずに展開されるストーリー、暴力や思想、権力、理想、膨れ上がる虚無感、個々人としての臨界点や組織の駆け引きという、個々のテーマとしてはかなり重たいものをSFエンターテイメントとして書ききった冲方氏の力量にもはや脱帽。
これ、本当は書評したいんだけど良い言葉が浮かびません。
また少し落ち着いたら書き込みたいと思います。
「ボイルド、ウフコック、今こそ君達の有用性を証明するときだ」
〜クリストファー・ロビンプラント・オクトーバー〜