生きるということ
[再読]ノルウェーの森
初めてノルウェーの森を読んだのは、98年8月。
およそ8年ぶりに読み返したことになりますが、実にいい小説でした。
当時は大学生だった僕は、村上春樹氏の小説を読むのが初めてだったことや、圧倒的な世界観とそれまで読んでいた他の小説とは全く一線を画したスタイルの文体、ストーリーに衝撃を受けたことを覚えています。
影響を受けまくって夜中までウイスキーを片手に読んだことや、分けもなく消失感を感じたりしていたような気もしたのですが、それも今となっては懐かしい。
さて、なんとなく読みたくなって読み返した本書ですが、今回は当時より落ち着いて、(でもより感情的に)読むことができたと思います。
本書を読んでいると、まるで自分の環境ことを言っているのではないか。とコレまでのことを思い出すことも少なくありませんでした。
と同時に、当時大学生だった自分に呼びかけてみたり、心救われる部分も多くありました。
年を重ねていくと、ただ単純に前に進んで成長していくことが難しくなります。
成長するというプロセスは従来の繰り返しだけではなく、"今の自分では達成することができない、より大きな難関の答えのない答え探し"だからだと思います。
また、今までの自分では全く太刀打ちできないような難関に出会うこともあります。
そのときに、今までの自分がどれだけ成長することに対して貪欲に取り組んできたか、それが経験値となってまた一つ足を踏み出せるきっかけに繋がるのだと強く感じました。
BGMはキャノンボールアダレイのSOMETHIN'SLSE
そういえば、Jazzに興味を持つようになったのは村上小説がキッカケだったなぁ。
「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるのだ」
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どのような真理をもってしても愛するものを亡くした哀しみを癒すことはできないのだ。
どのような誠実さも、どのような強さも、どのような優しさも、その哀しみを癒すことはできないのだ。
我々はその哀しみを哀しみ抜いて、そこから何かを学び取ることしかできないし、そしてその学びとった何かも、次にやってくる予期せぬ哀しみに対しては何の役にも立たないのだ。