「へんな会社」のつくり方 近藤淳也

「へんな会社」のつくり方 (NT2X)

株式会社はてなの社長、近藤淳也さんの本です。(id:jkondo)

はてなといえば、Webの世界で最先端なウェブサービスを提供してたり、一風変わった仕事のやりかたがメディアにとりあげられていたりする、今インターネットで面白いことする会社なワケですが、インターネット上では、いわゆるTechnicalな部分にスポットがあたった記事(もしくは変わっているという部分にのみスポットがあたった記事)が多く、似たり寄ったりの記事を読んでばかりで少し食傷気味でした。

そんな中、本書を読んで感じたのは、「近藤さんって仕事をする事にすごく気を配っているな」ということでした。

社員の仕事のやりやすさだったり、職場の環境だったり、情報の伝達だったり、社員の活気だったり、取り組み姿勢だったりするワケですが、それらを実現するための色々な手法に共通して言えるのは、「仕事に対する気の配り」ではないか、という事です。

仕事への意欲が出しやすいように、真剣に考えていてくれる。
それは経営者のレベルで、社の仕事のやりかたに真剣に取り組んでいるという事です。

仕事がしやすかったり、社員同士の壁がなかったり、社内が活気付いたりしていることについて、

  • ベンチャー企業だから当たり前だとか
  • 小企業だからそういう事ができるとか
  • 大企業だから、自由に動けないとか
  • 大企業だから、意見が通らないとか

そういったことを言う人も多いのですが、会社の規模ではなく、上司や、経営者の人や、社で数年働いている人が、仕事のやりやすさについてしっかりと考えていてくれることが重要ではないのでしょうか。

考えてくれている人の役職や、立場によって、全社だったり、部署内だったり、グループだったり、プロジェクト内だったりで影響範囲が違うと思いますが、感情豊かな社員のパワーや意見を引き出してあげること、受けたパワーを良い方向に持っていく事は、組織(チーム)として働くために必要なことだと思います。

#年齢とか役職による先入観で、押し付けたり、跳ね返したり、受け入れてコミュニケーションができなくなるって本当に残念です。
#一人一人の目線で見て感じることの大切さってありますよね?

はてなってそういう熱意の出し手と受け手のコミュニケーションがしっかりできているんだろうなと想像したりします。

技術的な部分に焦点があたりがちな「はてな」ですが、こういう人がいることに非常にインスピレーションを受けました。僕もこういう気持ちを常に持っていたいものです。

管理職や、経営者の人、社内で何年か年齢を重ねている人は、本書を読んで、「今の職場が本当に社員全員にとって仕事がしやすいか」とか、「仕事がしやすい職場とは何か」について考えてみるのも良いかもしれませんね。

2006.2.21 読